dita

華氏 119のditaのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
4.0
@大阪ステーションシティシネマ   

ムーアの本気を見た。フリントの汚染水問題に衝撃を受け、高校生の真っ直ぐな行動に泣く。トランプが何故勝ったのかではなく、誰もしくは何がトランプを勝たせたかについてはかなり説得力があった。独裁政治の最大の味方は支持者ではなく無関心層なのだと思い知らされる。

政治に興味があるかないかでいえば、たぶんないのパーセンテージが勝つ。選挙も行けたら行くレベルでニュースもあまり見ない。身近な出来事として考えられない、なるようにしかならないと思っている、勉強のつもりで映画を観てもすぐ考えなくなる、いつもいつも堂々巡りで嫌になる。

胸に刺さりすぎて、感情が揺さぶられすぎて二度と観たくないトラウマ映画がいくつかあって、その一つが『ボウリング・フォー・コロンバイン』。今作を観た後、意を決して再見した。やっぱり辛くて二度と観たくないと思った。でも、いつまで経っても政治を身近に感じられないなら、トラウマ映画を観て傷付いて、考えて、忘れて、また観て傷付いて、自分の無関心の壁に少しずつでも穴を開けよう。”never”になる前に出来ることはまだあるはずだ。
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