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華氏 119のperoのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
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政治問題に笑いを含ませて分かりやすく見せるTVバラエティで出て来たマイケル・ムーアの新作は、アメリカの中間選挙の前に誰に投票するべきか語りかける。

大統領選挙で図らずもトランプに負けたリベラル。何故負けたのか、その後に何が起きたのか、これからどうするのかをマイケル・ムーアが教えてくれる。

民主主義国家に生きていると思っているけれど、それは簡単に覆される可能性があることが示される。

それは日本の政治とも遠くない話。

企業は利益を上げているのに税金を優遇され、足りない予算は消費税で補おうとしていて、国家の危機を煽り国防予算はうなぎ上り、ついでに上がりまくったオリンピック予算はいくらになるか分からず、祖父の代から引き継いだ盤石の地盤で友達に忖度しまくる首相に、生活保護受給者を叩いた政治家は自分の政治資金の会計に嘘を書いても説明しなくてもやり過ごされそうな気配。
第二次大戦中のフランスのレジスタンス戦士ステファン・エセルは遺言と称して「怒れ憤れ!」と書いたが死んでる場合じゃない。

映画的に言えば、テレビや投稿映像などを切り貼りしていく手法は他の作品と比べてまとまっていず見にくく、マイケル・ムーアの焦りと老いを感じた。
けれどマイケル・ムーアの映画は見て考えることが大切だ。

いま、何が私達にできるのか!

マイケル・ムーアの映画はいつも行動する事が大事だと繰り返す。

そして今回はもう一つ、投票しなかった普通の人々に責任があると言っている。
前回の大統領選の投票率は最低。
一億人が無投票だった…
そこから私達は考えなければいけない。
未来のより良い国を作るために、一番簡単に貢献できるのが投票ならば。

アメリカの中間選挙の結果が気になる。
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