菩薩

玉城ティナは夢想するの菩薩のレビュー・感想・評価

玉城ティナは夢想する(2017年製作の映画)
2.0
少女の美に対する、いやむしろ「可愛い」に対する本能的執着心が良い方向に進めば、それは時に新たな価値を見出し、もしくは時代すら掘り起こしそれをも我が物としていく文化の創造主たる圧倒的エネルギーを生み出す源となるのだろうが、行き過ぎた自己愛は時に他者への攻撃意識へと変換される事があるし、行き過ぎた「可愛い」の追求の終着点は、結局その子自身を物体(オブジェ)へと変換してしまう危険がある。「美はただ乱調に在る。諧調は偽りなり。」とはアナーキスト大杉栄の言葉であり、美少女と大杉にはなんら関連性は無いが、補正、補正ばかりの世の中よりも、それこそ大杉が愛した伊藤野枝の様に、世の中に中指を立てながらも、個として凛と立っている姿の方がよほど美しく見える。憧れは憧れのままで、夢想も程々に、己のキャンバスを自由に染め上げるのは良いが、結局つまらぬ額縁に嵌めてしまえばそれも意味を無くす。要するに何を言いたいかといえば、すっぴん・ノーブラでいいじゃない、って事である。
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