NeCo

ジョーカーのNeCoのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2019.10.13に映画館で視聴していたものを、再度視聴

「Don't Smile!」

自分如きの浅学な語彙で語って良いものなのかわからないけども、記録として残したいので少し書きます

コメディアンを目指す笑いに熱烈な憧れを抱いた男、現実とのギャップに侵されるうちに笑いは義務や嘲りの象徴にもなってしまっていたのかな
心優しいが不器用な男を小数時間だが見守った人間としては、ラストの血糊を帯びた恍惚とした表情、吹っ切れたような笑い、ポップな選曲に乗せて後味が良いんだが悪いんだか絶妙にわからなくなる

全編を通して音楽の持つ力を感じるのは勿論、地下鉄殺人の後で公衆トイレに逃げ込んで虚いと共に体を揺らす場面、過激な描写があるシーンという訳でもないけども、普通の映画ならば暗転されるような、されどもたしかに彼の一つの転機であった繋ぎを生々しく描いてるのが脳裏に染み付いた
個人的にかなり印象高かったシーンです

笑いが一つ大きな命題であったとは思うんですけど、作中で微笑むアーサーを見て彼の置かれた状況を差し引いてもこんなにも無垢で可愛らしい表情ができるのか、と
悪のカリスマとして輝いたジョーカーにも一人の人間としての生い立ちや葛藤が確かにあったこと、キャラクターとしてではなく一個人の人間として惹かれるものがありました

どこまでがリアルだったのか、はなから本当のことなんて一つもなかったのか、視聴者に委ねるようなラストも意地が悪くて秀逸
かなり好きでした
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