いずる

ジョーカーのいずるのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.7
悲劇が喜劇に変わる。
誰かを笑うことが誰かに笑われる結果につながる。
痛みを知るアーサーはショーの中に駆け込んで、喜劇を選択した。
それは良いことなのかもしれないですね。良いも悪いも私が決めることではないですが。

ひとつだけネタバレです。
ラスト、映画はトムとジェリーの追いかけっこのようなシーンで終わります。白い床に赤い足跡、逆光の白く煙る光の中。追いかけられるジョーカーの影はカートゥーンのワンシーンのようでした。
これまでの圧倒的なリアリティから離れ、これから先は喜劇のショーということを象徴するような。
本当にアメコミのジョーカーになったんだなぁ、としみじみ思うエンディングでした。

この映画は一回見ただけではすべてに圧倒されてしまい心に来すぎます。
「ジョーカー」は二回、三回と見て心ではなく、頭で理解できるエンターテイメントにしなければならない映画です。
なのでもう一回見てしまった人はぜひ三回は見てください。
いずる

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