Noel

ジョーカーのNoelのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ジョーカー』観てきました。社会的弱者が苦悩し、変貌してゆくさまを描き、観る人に「いっそジョーカーになっちまえ」と思わせるかもしれない危険な作品。終盤の流れにカタルシスを感じたら要注意でしょう。展開が予想の範囲内だったのは残念ですが、ホアキンさんの熱演はさすがでした。
映画館を出るとき、この作品独自の設定に興奮したのか、男の子たちが「これぞまさにオリジン!」と盛り上がってました。でもこれはこれで完結でしょう。続き観るなら『ダークナイト』で。

スコアは4にしてみました。
何よりホアキンさんの鬼気迫る演技がすばらしく、映像的にも見応えがあるんですけど、想像を超えるものではありませんでしたし、アーサーと心を通わせるソフィとの描写には物足りなさも。そのへんをもう少し丁寧に描いてくれたなら・・・さらに鬱々とした作品になっちゃったのかなー。


【追記】
ここから先はネタバレというか、観る前はお読みにならないほうがいいかもしれません。
観ていて、ちょっと説明不足な部分があるなーと感じていましたが、数日経って思い返すうちにじわじわと違和感が。
マレーとの抱擁、ソフィとの交流。あるいは、本編では描かれていないアーサーの来歴。試しに、ラストシーンを冒頭に持ってくると、ガラリと見方が変わるかもしれません。ホアキンさんの熱演、どこを切り取っても画になる象徴的な映像の数々に騙されてしまいましたが、苦悩の末無敵の人になっていくアーサーに感情移入してしまいそうな物語そのものが、ジョーカーが仕掛けた手の込んだジョークなのかも。そう考えると、真のジョーカーは、スクリーンのこちら側にいるのかもしれません。
もっとも、私自身は、最後に思いついたジョークというのは、これから誕生するバットマンのことだと思ってるんですけど。両親を失った少年がやがてバットマンになるのは、実はジョーカーのお膳立てだった、みたいな。
Noel

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