言わずと知れた有名コミックスの悪役だが、その誕生秘話をニューシネマ的な手法で紡ぎ、陰鬱な色合いと観る者を測る天秤で “人間”を突き付けられる内容と感じた。
置かれる立場や地位で観たあとの印象すら変えかねない物語は、単に主人公を悲劇の人として感情移入させる作りにしなかった事が作品の奥深さを生んでいたと思う。
シリーズとの関連性を見出しにくく感じる部分もあるが、コミックを実写で描く方法としてはこれまでになく写実的に描きつつ、テーマ性を伝える手段としての導入も現在のニーズに則したエンターテインメントとしての間口の広さもある、新しくて非常に意義のある“実写化作品”かと。
とりあえず、もう一回観たい。