現代を鏡写しにしたようなこの作品、とっても意味のある映画です。
事は簡単ではないです。この作品を形容するほどのレビュー力がないです。何度も観て模索する必要があります。
是非ご覧になって各々で感じ取って下さい。踊り狂う道化師の心の叫びを。
2022.05.14 2回目
やはり攻めた作品。ジリジリと人物の内面に詰め寄り破滅まで描き抜く。
今見ると色彩の美しさ、ファッションの凝りをさらに感じた。ダンスや音楽も、狂気を演出するためとは言え、素晴らしい。
地域によっては本作の上映を見送ったり、映画館の周囲を警察官が警備にあたったりということがあったらしい。
社会に対してあまりにもさまざまな問題を内包しているからこそ、都合が悪いのだろう。
まさに劇中で煙たがられるジョーカーそのもののように。
ジョーカーの政治には無関心、の言葉が引っかかる。自身の生活が政治によるところも大きいはずだが、政治には無関心である。
街に群がるピエロたち。街のヒーローとして、本当に世界を変えるなら、ジョーカーの方法では不可能である。
「3人死んで、マヌケはあと100万人。」
コメディアンになりたかったはずのジョーカー。彼の誤った道を、現実世界で進む人のいないように我々が変わらなければならない、と言っているのだ。
ノイズのように永遠に響き渡る笑い声。
これは喜劇か?悲劇か?
追鑑賞 2022.09.12
ライティングが神がかって美しい。
脚本が秀逸。匂わせて匂わせて、伏線回収がお見事。映像も綺麗だし、お金のかかった映画だなと。しかし内容はセンセーショナルで社会現象になるくらい攻めてるのが良い。
不穏な雰囲気を漂わせる音楽と全体的に暗いトーンの画が続く。やっぱり統一感は大事だな。