タカミ

ジョーカーのタカミのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
孤独は井戸のように底が見えない。
深く暗く湧いて出てくる。
倒れていても踏みつけられる人は、今も至る所にいる。
やがて孤独は怒りに変わる。
見ないふりをしていたら、いつか平穏に暮らしている人に怒りの矛先が向く。
ジョーカーを生まない為に私たちは。
踏みつけず、見ないふりをせず、寄り添わないと。
『キング・オブ・コメディ』の予習をオススメします。
昔あの作品で提議された孤独と狂気が幾つも重複されており「ほうら、あの頃も今も何も変わっていないだろう?」と訴えかけて来ます。
パプキン(主演)のロバート・デ・ニーロが踏みつける側に立った皮肉。
理解が2倍になると思う。
どのシーンも魅力的で目に焼き付いて離れないが、ラストシーンが白昼夢のよう。
それが『ジョーカー』という存在を如実に表していて凄く凄く好きです。
問題作ではありますが、悲しみを悲しみとしてそのまま見せてくれたから、私はこの作品を愛さずにはいられない。
タカミ

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