短パン社長

ジョーカーの短パン社長のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
「 本当の悪は、人間の笑顔の中にある 」

まさに哀愁と狂気。アメコミ映画なんて思ったら大間違い。( 誰も思ってないかもだけど )
この作品がアカデミー賞を総なめにするんじゃないかとウワサされてるそうですが、本当この映画がアカデミー賞を取ってしまっていいのか?と余計な心配をしてしまう、それくらい素晴らしく、尚且つ、危険な映画です。

人間の心に必ずや存在する善悪。
「 どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、道化師の格好(ピエロ)をしながらコメディアンの夢を見る心優しいアーサー。精神的な病を抱えながらも一生懸命生きようと、貧しいながらも努力をし、母を支えるも、社会的弱者であるアーサーの言うことなど誰一人耳を傾けることなく、裏切り、裏切り、裏切りの連続。これ以上続くと自分が病んでしまいそうな場面がひっきりなしに続きます。マジで閲覧注意。

あの異常としか思えないアーサー(ジョーカー)のこれまでの数々の事件(惨事)を、ここまでされてしまったのなら仕方ないのではないか?と、観客に思わせたり、感情移入させてしまう、ホアキンフェニックスの怪演は見事としか言いようがない。あのリバーフェニックスの弟であり、これまでの彼の歩みを知れば知るほど、映画とはまた別の感情も生まれてしまう。また、なぜ司会者をロバートデニーロが演じているのかなど、考えれば考えるほど、重いだけじゃなく、とっても深い映画です。

SNSがある事によって、その素晴らしい機能より、ここまでも個人が自由に発信できて、明るい話題よりも、深い闇の方に焦点が当てられる昨今。また、貧困などの格差社会や、人種差別問題や、多くの事件などなど、まさに世界で現在起きている社会問題を連想させる。( 日本も含めて )今だからこそのこの映画なのか、と、観終わった後に気づきました。

喜劇と悲劇。人間のダークサイドにここまで深く迫る映画が今まであっただろうか。さすが映画史上最も印象に残る悪役ランキングの2位に君臨するジョーカー。でもその悪役の中では、唯一特殊能力も何もないただの人間。にも関わらず、選ばれる理由はこの映画で更に明らかになるではないだろうか。( この映画で1位になるかもね。)

バットマンシリーズを知らなくても全く問題なし。だけど、バットマンのお父さんの名前だけは知っておいた方がいいかも。( ヒロナガ談 )
誰しもにオススメできないとんでもない素晴らしい映画でした!!!!