狐木つくね

ジョーカーの狐木つくねのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
"人生は悲劇だと思ってた…
だが今分かった。僕の人生は喜劇だ。"

"自分で決めればいい。笑えるか、笑えないか。"

【STORY】
 混沌のゴッサムシティで精神病を抱えながら道化師の仕事を続ける不幸な男・アーサーの変貌を追い、バットマンの名宿敵 "ジョーカー" 誕生の経緯を新たに描き出す。


【一言まとめ】
●救いようのない不幸と、歪んだ救済
●このジョーカーもありだなと思える
●身を削ったホアキンの魂の演技


【感想】
 傑作❗️
 まず、今作を語る上の前提として大事だと僕が思っているのは、「他の映画作品のジョーカーの過去編だと捉えずに観る」こと。
 特に、僕くらいの世代にとってジョーカーといえばやっぱり『ダークナイト(2008)』のヒース・レジャー版ジョーカーでしょう。
 でも今作のジョーカーがあのジョーカーになるとは正直思えないし、実際なる必要もありません。そこを分けて考えるのが大事だと思います!

 救いようのないほどに不幸な男が、揉まれて揉まれて不幸の渦に飲まれた先に、普通とはいえない歪んだ救済に辿り着く…こんなジョーカー譚もありだなと思います。
 前評判と予告がハードルを上げすぎていたにも関わらず、「すごい作品を観た…」と震えるほどに楽しめました。

 文字通り身を削ってガリガリになったホアキン・フェニックスの魂の演技には何度観ても度肝を抜かれますね。主演男優賞は必然だった気がします。
 貼り付けたような笑顔、アドリブの怪しげなダンス、貧乏ゆすり、そして乾いた笑い…ホアキンの完璧な演技と、"冷蔵庫"等の細かい表現や、工夫された設定により完成した最高の出来。大傑作ですよね…

 何より怖いのは、終盤ジョーカーになっていくアーサーに共感してしまい "嬉しい" "解放感" という感情が浮かび上がってくること…
 何度観てもあの "美しい怖さ" に震えます。

 スコセッシの影響は観る前の予想の数倍は濃かったですね。

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観た回数:3回
直近の鑑賞:映画館(19.10.05)
     映画館(19.10.20)
     Netflix(20.07.26)