とら嬢

ジョーカーのとら嬢のネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

いやー最高だった。この映画危険よ、ほんと。殺人さえも肯定してるから、精神状態不安定な人が見たらほんと同じことすると思う。てか実際そうした事件あったからアメリカでは警察と軍が警戒してるんだけどさ。ナイトクローラーみたいな暗い最高精神映画が大好き民としてはこのジョーカーもほんと方を並べるくらい好きな作品になった。ほんと劇場で観れてよかった。音楽もいいし、ホアキンの演技も最高だし。笑いが一番怖い表情だってのを知れた…。

以下はその場で書き殴った文書‪;;‬

ジョーカー 感想

・ホアキン・フェニックスの演技がしゅごい。
→笑いの演技がもはや演技じゃない。悲しみの、文字通り、どん底を彷徨ってるときに溢れる笑いってのがストレートに観客の心に突き刺さってまず感情移入してしまう。アーサーは、辛い時に敢えて笑ってしまう描写がなされてるけど、何かしら辛い経験がある観客にはその心情が痛いほど理解できるから自然とアーサーを味方するように心が動く。だから後半のアーサーが犯した絶対的な悪事である殺人行為さえも肯定(または理解)しようとしてしまう。少なくとも自分には確かに爽快的なシーンだった。この映画においてアーサーは正義で、富裕層の人間や貧困等の問題を野放しにしている社会が悪、といった対比の構造がとられているが、アーサーに対する全編にかけての共感させる構成から抵抗なく理解できてしまう。だから危険。

・現実社会へのメタファー
→主人公のアーサーはザ・貧困層側の人間。物語の最初で受けてたカウンセリングも財源が足りず打ち切りに。これは社会保障制度の切り捨て→社会から見捨てられる貧困層の人間を描写。アーサーは怒りでもって社会に反抗してる様に描かれる(最初の被害者は富裕層の証券マン)70年代のアメリカの様子に酷似してる。社会保障の削減等。

・音楽
→アーサーの哀愁に超マッチ。証券マン殺害後トイレのシーンはアーサーの怒りが正当な美しい正義に昇華したような雰囲気さえ覚える音楽。映画館にサントラあったら確実に衝動買いしてた。

・ググッときたシーン
→最初な階段を鬱蒼と辛そうに登ってるのに、後半の警官に追いかけられるシーン直前の階段降りるシーンはとてーも楽しそう!これは人間、堕ちるとこまで落ちてしまえばそれはもはや美しくて素晴らしいってメッセージなのかと思た。今まで存在していないも同然だったアーサーが確かに社会に存在してる、それを体現してる名シーン。てかこの映画名シーン多過ぎ‪;;‬
→あのウェイン邸のシーン!!もえた!!!子どもの名前ブルース・ウェインじゃん!!バットマンの幼少期!!劇場で気付かない自分バカバカ。本当バカ。あそこで気付けたらテンション100倍は上がってた。
→「喜劇が主観なら、善悪も主観」って観客に投げかけるシーンはやばい。ほんと見る人が見るタイミングでみたら完璧に染まる。それだけ十分な説得力でもってストーリーは構成されてるし、そのシーンあたりのジョーカーに「人殺しはダメ!」みたいなうっすいぺらぺら(でも正しい)な主張してるテレビのおばさんとの比較もあって、何が正義か、そんなの主観でしかないぜ!って思う人は思う。精神状態が安定した時にみてなかったら危険でしょ。
→警察車両のボンネットの上で復活するジョーカーは、キリストの復活のメタファー。あのシーンでジョーカーは確かにもう一つの正義としてゴッサムシティに誕生した。
→銃を撃つシーンがそれぞれに重さがあって非常に良き。どんぱち銃撃戦映画にはない弾丸の重さがある。てか音響も良かった。映画が静かなだけに大迫力よ。

ほんっとに名作。僕はこの映画大好きです。素晴らしい映画をありがとう!
とら嬢

とら嬢