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ジョーカーのもちのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
感じること考えることがありすぎて、何から書けばいいか…?二回目を観てからきっと追記するはず。いやーすごかった。すごすぎる。ハング・オーバーの監督よ、こんなのも撮れたんかい…。

そしてホアキンの演技よ。物語と演技を別でもう一度観たい。タクシーの中にピエロのお面を見つけたときの、顔のほころび…。涙

目の奥に、絶望と怒りと寂しさと同時に、
かすかな希望が見える。

もしかしたら。

もしかしたら上手くいくかも。
もしかしたら有名になれるかも。
もしかしたら救われるかも。

もしかしたら
こんな自分を誰かが愛してくれるかも…。

もう最初から最後まで辛い話なんだけど、所々に彼の笑顔があって、それが見事に裏切られるのも辛い…。

彼の状況に心臓が押しつぶされそうで。
大事な舞台で笑いが止まらなかったシーンなんて、抱きしめてあげたくて涙でそうになった。

でも、最後まで自分で頭を打ち抜かなかったのが彼の答え。
彼がもし現実だけを見て妄想を見ていなかったら、
頭を打ち抜いていたんだと思う。妄想で自分を救っていたんだな。

これまでバットマンシリーズで「カリスマ」だったジョーカーが、カリスマでもなんでもなく、カリスマに仕立て上げたのは、救いをもとめてどうしようもなくなっていた周り(世間)であり、たまたまリーダーになってしまった彼(個人)。彼もまた一人のいち時代の被害者だということが分かる映画。

アメリカほど貧富の差を感じていなかった日本も、ここ数年で「なんか日本もさすがにまずい」と誰もが感じる状態になった。そんな時に、「金持ちくたばれ!」と、怖いもの無しで大声で言う人が出て来たら、その人のことをヒーローと呼んでしまわないだろうか?そんな危うい現代には、これはファンタジーではなくて、燃える街の様子が「近い未来」のように見えるのが何よりも怖かった。

彼はもともとサイコパスでもなく、ただただ、心に闇を抱えた貧しい男性であり、ふとしたきかっけでジョーカーになってしまった。周りの人たちはきっかけを求めていた、リーダーを求めていた、ただそれは誰でもよかった。彼にカリスマがあったわけでもなく、誰かを筆頭にして爆発したかっただけ。そんな危うい状況、まさに今の現代だなあ…

結局感想長いわ!
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