過剰と言えるほど鬱屈としたエピソードを盛り込んでいるが、映像と音とホアキン・フェニックスの背中のマジ感がすごいので、エピソードが浮かずにリアルに見ることができる。
アーサーの突然笑いだしてしまう病気。笑っているようにもむせび泣いているようにも聞こえるのが良い。ピエロのメイクも常に左目が涙を流しているように見せていて、それがなんとも言えないアーサーの胸の内を表している。
JOKERとして目覚めた後の映像は美しく光輝いていて、今度はこちらの涙腺が刺激されてしまう。
2人は兄弟なのかと思わせるブルース(Bruce)とアーサー(Arthur)の関係。Bの兄だからAの頭文字の名付けとか出来すぎていて、観終わってからよくよく考えるとJOKERの作り話だったんじゃないか感がチラリと見えるところも良い。