ユレユレ3人組

ジョーカーのユレユレ3人組のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.8
凄いものを見ちゃったね。
絶望と狂気のカオス!
これは、本当に素晴らしい!

あまりの不条理と不運が彼の心を徐々
に蝕んでいき、自分の血で口角を描き、
車のボンネットの上で皆から喝采を
浴びた瞬間、人間アーサーは完全に
あの怪人ジョーカーへと変貌したのだ
と私は思った。

愛する者全てに裏切られた可哀想な
アーサーから、ニコルソンやヒースが
演じたジョーカーの様に人の心を操り弄び、
それを楽んで嘲り笑う悪のヒーローへと。
(個人的にはヒース・ジョーカーが好き!)

可笑しくもないのに笑う、それも大声で。
振りではなく笑ってしまう発作の病気。
これほど悲しいものがあるだろうか…

笑いながらも苦しみもがいて涙するその
姿は正にピエロそのものだ。

ホアキンのダンスは異様ではあるが非常
に美しく、魅了され、胸を打つ。
見てはいけない物を覗き見たような
不思議な気持ちだった。

全てを知った彼は、己を受け入れ、
タガが外れたように覚悟を決め、
ピエロメイクに派手なスーツ、そして
緑の髪の毛でタバコをふかしながら
歩く姿はなんともカッコ良かった!

衝撃の演技力。なんだよコレ!
賞は間違いなくとるだろね。
悲壮感と怪しい雰囲気を物の見事に
身体のあらゆる所から醸し出す。
この悲しきジョーカーは彼しか
演じきれなかっただろう。

映画終わった時、拍手したかったな。
誰もしなかったけど…笑
心の中ではスタンディングオベーション!

ブルースにとっては仇なのだが、
ええっ!そうきたか!嗚呼、切なすぎ…
きちんと話が繋がっている。
こういった演出がまたニクい。

音楽も躁鬱があって、特に不穏な
バイオリンの音が狂気の効果大。

そしてラストの解釈の曖昧さに
委ねる所が上手い!
ユレユレ3人組

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