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ジョーカーのesewのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
2.0
2019.10/7

主人公がイケメンじゃない「レクイエムフォードリーム」みたいな感じで救いがない。

悪事を働いて抑圧が解放されてしまうので重みもない。ジョーカーが狂いはじめてからは何をしでかすかわからない子を見守ってる気になり目が離せないが、別に物語に引き込まれてるわけでもない。ただただスリラー的な注目のさせ方なので深みがないのが残念。

主人公の狂気を表してるといえばそうなのだが、その狂気を表現する笑いは「ダークナイト」でヒースレジャーがやっているし、体重を劇落とした体の気持ち悪さの表現もクリスチャンベールが「マシニスト」でやっている。

実際何が良くて絶賛されてるのかわからないけど、ビリーアイリッシュの「Bad guy」のようなポップスが大ヒットしてるのだから世界が病んでいて自分の境遇を重ねてこの物語に共感する人が多いのだろう。それってポリティカル過ぎない?と思うけど最近のアメリカはずっとポリティカルな切り口で売ってるのでマーケティング上のヒットの法則なのだろう。

映画は大衆娯楽でもあるけど総合芸術でもあるのだから、世の中のフォローをするのじゃなくて、世の中をリードしてほしいものである。これなら10年前の「ダークナイト」ずっと良かった。

あと全編通して画が狭い!狭い部屋にばっかりいる。芸術劇場の前の抗議デモ人少なっ!そいうとこでリアリティが出せない。予算足りないのが随所に見えてしまって興ざめする。残念。マーベルが制作費3億ドルかけてる時代に、DC作品はマーベルとは違った切り口のヒューマンドラマで勝負するって言ったって5500万ドルじゃ太刀打ちしようもないね。
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