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ジョーカーのbpmのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

世の中全体のズレ(格差社会)、健常者とのズレ(精神病)、周りの人との笑いのズレはアーサーにとってずっと悲劇であったが、なんとか母親という相互補助関係の存在によって耐えてきた。
それでも、世間はそのズレを放置し、責任をアーサー側に押し付けると同時にそれは良くないから無くせ、もしくは無いように振る舞えと言う。悲劇は続き、憧れだったコメディアンにも母親にも裏切られたとき、価値観をひっくり返してズレこそ喜劇だと捉える事で徹底的にあらゆるものからズレて、人生を最高の喜劇としてドライブさせていこうとする。何か吹っ切れた人間は清々しい。その終着点がジョーカーであったというオリジンの見事な説明に感服した。
印象としてアーサーは基本的に弱く勇気のない人間だから母親殺害直後からフランクリンショーのあたりまでは寄り添ってくれる人が現れれば引き返したいと心のどこかではまだ思ってるんじゃないかという感じがした。そしてアーサーはまだ自分を不愉快にさせる人や象徴をトリガーにして人を殺してるので今回でダークナイト版のジョーカー誕生かと言われればまだ一歩二歩足りないと思う。
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