こしょう

ジョーカーのこしょうのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.5
辛い時こそ笑おうぜ、悲劇か喜劇か、ヒーローかヒールかも主観である的テロル。

ホアキンの笑い声と演技は素晴らしいし、時代性を取り入れつつ話は丁寧に作られていてジョーカー誕生譚として無理なくまとめられている。
追う者、害される者だったアーサーが、追われる者、害する者になっていくというのも示されているので分かりやすい。

けれど、チャップリンを出す割りにアクションで笑えるところは銃ポロリと出口専用くらいしかないし、そのチャップリンもぼやけた背景に過ぎない扱いだし、印象的なはずの階段の昇降もそこまでだし(ダンスはよかったけど)、路地に立ち尽くすブルースのショットのダサさはなんともだし。

とはいえ、最後の最後の光の中のトムとジェリー的な追いかけっこはファンタジーっぽくて、それまでの現実的に描いた熱狂にあえて水を差すようでよかったり、ジョーカーになりかけのホアキンの顔で決まってるカットや紫のスーツをそう出してくるかという驚きはあった。一枚絵がうまい漫画家みたいな印象。
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