決して、観てスカッとするような映画ではなく、ドロリとした鉛を飲まされたような映画なのだが、それがこの映画の良さ。
後味が悪いのは、日ごろから「ジョーカー」を直視していないから。
全てを持っているウェインに対して、
何もかもがないアーサー=「ジョーカー」。
最後は、この世は、この人生はジョークなのだと開き直るしかない。
犯罪やテロを肯定することはやはり出来ないが、このネオリベラリズム社会の中で、それらを克服するには「ジョーカー」に思いを馳せる必要があるのかもしれない。
どのタイミングでどういう世の中(ゴッサム)ならば、アーサーはジョーカーにならずにいられたのかを。