marutabatsuo

ジョーカーのmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
ジョーカーがなぜ生まれてしまったのか。こいつはヘヴィな物語だった。
世の中の哀しみと悪意を丸ごと背負ってしまったかのような男。環境が悪いのか自分が悪いのか、ままならぬ恋に人生に、哀しみがやがて静かな怒りと暴力へと転化する。

ジョーカーは生まれてしまった背景、そしてヴィランがダークヒーロー化する姿は、まさに現代社会を色濃く映している。

そして、オマージュというよりこの映画の装置である『キングオブコメディ』を観ていると、少しずれればデニーロはジョーカーだったかもしれないという物語の二重性がよくわかる

主演のホアキンの身体の形から地獄の声を発する姿はもはやジョーカーそのもの

観た後でも良いけどデニーロの『キングオブコメディ』は合わせて見るとかなりぐっとくると思う


6/1
映画館再開記念に今やアメリカのドュメンタリーになってしまった『ジョーカー』をIMAX再鑑賞。
「死ぬこと以外はかすり傷」なんてて言葉はこの状況になってから吐け。極限の哀しみ、怒り、笑いすべてを乗り越えた超人の誕生。
ラストはジョーカー"自らは"「すべて俺が作ったジョーク、理解できないだろうけど」と主観的事実を述べているという三重構造かな。