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ジョーカーのaiaiのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
え?え?とんでもねえお洒落映画です
みんななんで教えてくれなかったの?
大きめサイズの革靴を手でさらに伸ばしたりとか、何年着てるかわからないパンツの裾から絶妙な幅でのぞく白ソックスとか、グリーンのスカーフ黄色シャツ赤茶スーツで踊り狂うシーンはかっこよすぎて惚れてしまうよって、
なんで誰も教えてくれなかったの?

華美なCMもダサダサPR文入りの広告もなくって、規制がきちんと入ってるんだなあと思う。最高だ。

ゴッサムシティ、荒廃していく街の政府に対する不満はもう爆発寸前で、仕事に就けなかったり、社会的弱者への補償からどんどん断ち切られていったり、
あれ、まるで日本か?
しかもそのトップに立つ政治家、ここでDCファンの皆様は心をどっちに向きにすればいいのか路頭に迷われるのではないでしょうか。

辛い辛い辛いの大洪水、
唯一拠り所だった愛は虚像で、それでも彼は優しすぎる。優しすぎる彼を誰も優しさで包んでくれなくて辛い。
ひょっとして猫を一匹拾っていればアーサーはアーサーでいれたのかもしれない。でも本当にアーサーで居続けることが彼にとってすべき選択なのかと言われれば頷けない。
だってジョーカーとして生きだした彼はなにも恐れなくていい。

挿入歌にcreamというバンドが4曲くらい出てくるんですがこれがまたどんぴしゃで、というか曲のタイミングなどすべてが神がかってます。

ジョーカーを認め現実にも誘発してしまいそうな大変危険な映画、心臓がキュッとなりました。映画として娯楽として楽しめる(?)なら、素晴らしいでしょう。

追記 ついみんな「誰もがジョーカーになり得る」ことについて語ってしまいがちだけど、あとからじんわりきたのは「誰もがジョーカーを生み出す側になり得る」というところ。ジョーカーが見逃した彼を思い出した。
優しい世界になって欲しい。
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