アハハハハハハハ ハ
「ババ抜き」
トランプ・ゲームとしては定番中の定番…やったことない人の方が珍しいだろう。
「うわぁ!ジョーカー引いちゃった」
ところがあんなに来て欲しくないと思っていたジョーカーも手にした途端…武器に変わるのだ…これを次のやつに引かせてやる!
最後に持っていたら負けになるのに間違いなくゲームを支配する主役…「ジョーカー」
なんか…えらいもんを観た感じ…
一緒に観た高校生の息子は…
「今まで観た映画で一番不気味で恐ろしい映画だった…」と言った…
誰でも…自分でさえジョーカーになりえる…
どんなホラーよりも怖いと感じたらしい…それは「悪」というものの誕生というか覚醒をリアルに描いた映画だったからだ…
とにもかくにもホアキン・フェニックスの素晴らしさに尽きる…
「ビューティフル・デイ」の衝撃が蘇る…あのときボテボテだった彼の身体は今回ガリガリだ。
時々見せるホアキンの「ダンス」と「走り方」におれは魅了された…
危険な映画だ…と思う。
現代の「タクシー・ドライバー」
デ・ニーロは「キング・オブ・コメディ」だから選ばれた訳じゃない「タクシー・ドライバー」の引用だ!
だってこめかみに指を当てて拳銃自殺を真似るのはトラヴィスのあの姿じゃないか?
「ババ抜き」ならぬ「ジジ抜き」ってご存知でしょうか?
おれの育った地方ではこう呼ばれていた。
「ジジ抜き」
トランプからジョーカーを外し、52枚のカードから1枚だけを引いてそれを誰も見ずに隠す…それから「ババ抜き」をやるのだ…
26組できるペアの中に一枚だけペアになれないカードが混じっていてそれがこのゲームの「ジョーカー」となる…
どのカードもジョーカーになりうるし…ゲームが終わるまでどのカードが「ジョーカー」なのか誰にも分からない…
映画「ジョーカー」は「ジジ抜き」みたいだ…と思いました。
ペアになれなかった最後の1枚…
経験したこともない巨大な台風が日本に近づいている…そんな不穏な前夜にこの「ジョーカー」を観て朝方…ものすごい風の音に目を覚ましました…