Inori

ジョーカーのInoriのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.2
いじめられて虐げられていいことなくて、「人生ぼくは一度も幸せと感じたことがない」というジョーカーの誕生物語。これでもか不幸が重なり、心が折れてしまうまで彼がよくここまで持ったなという印象。はっきり言って、観ていてこっちも気分がめげた。面白かったのは、彼目線で見ると、ウェインファミリーが寧ろ黒幕に見えてくるところ。裏路地での有名シーンでのブルースが、後にどうなっていくのか考えると、この話もなかなか大作なわけで…。感慨深いものがある。

ジョーカーっていつも誰が演じるのかで話題になるが、ホアキン・フェニックスのジョーカーはどこか憎めない優しい感じのするジョーカーだった。もじもじした感じ。泣き笑いが絶妙。映画の半分は半裸だったような気がするくらい半裸シーンが多かった。カラフルなピエロ衣装の彼はシャープな感じがして(シルエットがシュッとしてるからかな)よかったけど、裸の彼のみじめなことと言ったら…。もっと尖った感じのジョーカーが好きな人には、ジメジメしてて物足りないかもしれない。

ジョーカー誕生物語なので、彼が大活躍するとかバットマンと壮絶バトルを繰り広げるとかないので、もやんとした印象。そして劇場を出たときは沈んだ気分になりました。心が弱っている時は辛いタイプの映画。
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