スローモーション男

ジョーカーのスローモーション男のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
凄すぎる❗


ヒースレジャーのジョーカーをホアキンが越した。

 アーサーはとても優しい男なのに病気で笑いが抑えられない。悲しいのに笑ってしまう。こんな苦痛はつらい。

 コメディアンになりたいのになれず、ピエロの格好して仕事しても不良にからかわれクビにされてしまう。通っている病院も会社がコストを減らすためにアーサーは打ち切られ薬ももらえなくなってしまう。

絶望のアーサー。地下鉄で笑いがこみ上げて乗っていた男三人にリンチされる。
その反動でアーサーは三人を射殺してしまう。その三人が大富豪トーマスウェインの会社の社員と知らずに。
その事件をきっかけにそしてゴッサムシティは貧困層が富裕層に意義を唱える改革運動へとなっていく。

殺したあとトイレでおどるアーサーを観て完全に心の中のジョーカーが出てると思いその後どんどん笑いが狂気に変わっていく。しかもその姿を観て共感している自分が怖かった。
負け組と言われ続けてきたアーサーが少しずつ元気を取り戻していく。周りから見ればヤバい人だがこんなに絶望の淵に立たされた彼の生き生きとした姿にカッコいいと思ってしまう。

しかし、現実は冷たいまでに残酷だ。母親の真実を知るシーン、同じアパートに住んでいる女性との関係が全て妄想だった時、アーサーが泣きながら笑っているシーンで自分も涙が出た。自分のことを世界でただ一人愛してくれたと思っていたのに。自分の憧れるコメディアンもテレビでアーサーをバカにした紹介をした。彼はもう笑えなくなっていた。

後半はとんでもない展開と復讐と狂気が画面から伝わってきてカオス所ではなかった。そして自分の憧れたコメディ番組に出演するアーサー。完全に暴走した彼を止められるものはいない。町中が暴動であふれトーマスウェインは妻と一緒に粛清に倒れた。一人息子を残して…

この映画のラストシーンは「タクシードライバー」「キングオブジェコメディ」のラストシーンと似ている。どちらも妄想だった説があるが僕は現実だと思っているので今回もそうであってほしいが今作はあまりにもおかしいし精神病院のシーンでわかった。これはジョークなんだ。

今年最大の問題作でありまたも今年ベスト映画を塗り替えました。タランティーノ最新作とテーマはすごく似ていると思います。

今の世の中にジョーカーが現れたら彼はヒーローになるのだろうか…それは全てジョークだよ。