Keitan

ジョーカーのKeitanのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.6
『笑うほど泣きたくなるお話』

20191015 111
バットマンシリーズのスーパーヴィラン、ジョーカーの誕生譚。物語の結末は決まっているので、そこまでの過程がどう描かれていくかを楽しみにしていた。
描かれていたのは、特別な人生ではなく、日々の生活に苦しむ男の姿であり、ゴッサムシティもまるで今の世の中の気分そのものだった。そんなところが多くの人の共感を呼んでいるのだろう。
カメラワークは寄りが多用され、ひたすらホアキンフェニックスの怪演に追りジョーカーの内面に迫り続ける。最初は静かな演技で多くの苦労を抱え込む様子が淡々と描かれる。それこそエンタメじゃなくて文芸作品?なんじゃないのと思うくらい。
しかし、そんな不安は後半で起こる衝撃に吹き飛ばされてしまった。ホント凄かった。
一気に爆発するジョーカーの感情、それに呼応する民衆。悲劇は、喜劇を超えて、最後は恐怖に昇華する。
エンタメとしては見ていて最高に気持ちいい。でも誕生したのは悪役だよ?と、ちょっと困惑気味の自分もいる。

ところで、ホアキンフェニックス、ビューティフルデイの時はもっと太ってなかった?と思ったら、かなりダイエットしたみたいね。
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