ザ・ホアキンフェニックス・ショー
哀しみの密度が高いジョーカー。
観終わったあとの帰り道、すれ違う人々の笑い声に反応してしまう。
楽しくて、面白くて、心から笑ってる笑いはどのくらいの割合だろう。
監督さんが求められるものに対してとことんな人なのか、よく作り込まれた映画という印象。
芸術的というより職人的な上手さ。
何となく全体をまとめてみたい気持ちになったのでこの映画の良いところとは関係ないけど書いてみます。
いつの時代もマイノリティは差別対象であり、これからもそれは変わらないだろう。異物を排除するのは生存本能に根差した性質。そういう機能としての差別。
それに対して善悪は主観的なものにすぎない。
何が正しくて何が間違っているか、自分の人生が悲劇か喜劇か、さらには現実か妄想かですら見方による。
承認欲求や愛情の渇望、それらが満たされない悲しみや痛みを笑いを触媒として表現していく。
それでいて普通でいることを強く求められる社会の生きづらさが伝わってきてつらい気持ちになりました。