ようやく観たが……もう、ヤバい! ヤバすぎる! 間違いなく2019年ベストの1本だし、21世紀版『タクシードライバー』といえる大傑作。
鑑賞後、絶望感と爽快感が同時に来る。
魂が抜けて骨抜きにされたような感覚がしてどっと疲れたけど、その重みのある後味をむしろじっと堪能していた。
映画自体が危険視されることも理解できる。悪が力をつけていく過程って、この映画の終盤で起きているようなことになるはずなので。
(例えばファシズムの台頭などのように。)
でも、これはアメコミ映画で、舞台は現実に近しいながら架空の都市であるゴッサムシティ。そして、主人公もよく知られたキャラクターであるジョーカー。
あくまでファンタジーの前提で、ギリギリのところまで過激にかつ現実的に、鬼気迫る描写をしていくことで、この”ヤバい”という次元に達していると思う。
たぶん、舞台が現実のニューヨークだったとしたら「さすがにやり過ぎでしょ」で終わってた可能性が高い。
ギリギリの線で成立させてるから、”美しい”という感想すら出てくるのだ。
『ダークナイト』と同じくアメコミ映画の範囲内でアメコミ映画を超越し、なおかつチャップリンとスコセッシへのオマージュまで捧げた、間違いなくアメリカ映画として突き抜けた作品になった。
これを『ハングオーバー』の監督が作ってるんだからなぁ、、、悲劇と喜劇が表裏一体である、ということに異様に説得力が出ますね(笑)