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ジョーカーのkaanaのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
あ、けっこう好き、という感じ。

舞台となる街の絶妙な荒廃具合が◎
富裕層と貧困層の溝は大きいながら、貧困でも日々妬みや不満を抱えながらでも何とか生きていける世界。暴力、些細な、それでいてしつこい嫌がらせが溢れる世界。今を生きるわたしたちだって、いつでも、どこでも、こうした社会に転がり落ちるんじゃないかなって。

アーサーがジョーカーになってしまうまでの過程で、こんなにも辛いことが起きるかと。アーサーに関わった全ての人間が、ほんの少しの思いやりを持って接していればジョーカーは絶対に生みだされていなかったはず。ほんのちょっとの思いやりだよ。

「誰しもがジョーカーになり得る」っていう評がけっこう多い印象なんだけど、本当にそうで、だから、誰に対してもほんのちょっとの思いやりを持とうとあらためて思った。

サウンドトラックがとても良かった。ダイナミックな中に不安を煽る不気味な要素と、切なくて虚しさを感じる要素。それからジョーカーのダンスシーン。最後の曲。

それから、映画の最初に画面に映るタイトル。画面いっぱいにポップなイエローの「JOKER」の文字が、見終わって考えてみるととても印象的だった。

暴力シーンとか、いつなにが起こるかわからないスリルでけっこう怖かったんだけど、ストーリーはとても良かったです。主人公の役作りが圧巻でした。
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