KJ

ジョーカーのKJのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
いや、キツい。
三本連続鑑賞の三本目にこれは。
参った。
姪っ子が1ヶ月くらい観るかどうか悩んだのが今作。
正直ずーっと五分五分で悩んでた。観たいとも思うけど観たくない。
俺は観ようかと思ってたので、のんびり勧誘し続けてみたらどうにかなった。
姪っ子が観たくなかった理由としては、ジョーカーのイメージというか、ジョーカーというキャラクターの初見が『スーサイド・スクワッド』だったものだから、単純にイカれたキャラという認識で、要するに人間模様は要らないんじゃないかという部分が引っ掛かったそう。
ジャック・ニコルソンとヒース・レジャーのジョーカーを観ていたら、ちょっと心境も違ったかも知れないが、気持ちはわかる。

アーサーが、メチャクチャきつそうに笑うのがホントにしんどかった。
ゴッサムの現状もアーサーの母親も、恐らく実は最初からアーサーもイカれてた。
アーサーが環境や生い立ちに飲まれて、ジョーカーになるまでを描いた映画だと思ったら辛すぎる。
普通にコメディアンになろうとしていたジョーカーがアーサーを捨てるまでを描いた映画だと思うことにしたい。
救いは何もない映画だと思う。
なんかこの人全然いいことないな!と思っていたら「いいことあったじゃん!」と思わされた先から全部どぶに放り込む。

ジョーカーを生んだのはゴッサムシティと、結果的にウェイン家だ。
そしてバットマンを生んだのは、結果的にジョーカーになってしまった。
お互いに逆恨みみたいなとこあるが仕方ない。そうなってしまったのだから、誰が悪いとか間違ってたとかでなく、結果が物語るだけなのだろう。
ただし繰り返しになるが、アーサーは元々ジョーカーを内包していたし、環境次第ではジョーカーにならなかった未来もあったかも知れない。ただ本人にとってはアーサーのまま続いていく人生のほうが何倍もしんどいわけで、彼は救われたのだ。
ほら、アーサーの時は発作の笑いを押さえながらあんなに辛そうに生活していたが、ジョーカーの彼は翼が生えたように軽やかだ。

おそらくアカデミーは何かしら獲るかも。
アカデミー賞は、感情を揺さぶられる映画が好きだから。
でもこれ地上波は無理だな。
R15で正解。
KJ

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