SANTAMARIA

ジョーカーのSANTAMARIAのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.6
まず最初に思ったこと、これはある意味で問題作。
この作品が公開されて良かったのだろうか…
鑑賞開始10分で自分が正気なのか分からなくなり、ポップコーンの味がしなくなった。何が正しくて何が間違っているのか一瞬自分の中で分からなくなった。

ゴッサムシティという舞台で
描写ごとにじわりじわりと朽ち果てて、
歪んでいくアーサーの精神。恐ろしすぎて
唖然としてしまった。

これは、富裕層と貧困層の差が生んでしまった悲劇。

仕事もうまくいかず、自分の夢も笑い物にされ、罵られ、人から避けられ、時には暴力を振るわれ、そして、信じていた者に裏切られ、やっと見つけた愛は自分の中の妄想にすぎなかったりと社会的弱者のアーサーに覆い被さるように精神的にも肉体的にも辛い仕打ち。
観賞している側からしても反吐が出そうだった。
辛い仕打ちを受けてもどんなに悲しくても
込み上げてくる不適な笑い。
彼の甲高い笑い声の裏にはどんな感情があったのだろうか。

辛かったり、悲しかったり、物凄く腹立たしい事があったとしても、彼は笑う。
それもとびっきり甲高く不気味な声で。
SANTAMARIA

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