このレビューはネタバレを含みます
見て良かったなと思える映画だった。
初っ端から暗くて辛くて、一個ずつ確実にアーサーが社会から切り離されていく様がしんどくて、これは二回目見る気力がないかもなと思いながら見ていた。
アーサーが社会から弾かれるのは疾患のせいもあるかもしれないけど、わたしには疾患はアーサーの一部であって、疾患がアーサーを形作っているのではないと思えたから共感する部分も多かった。
発作で笑ってしまう時の、笑いたくないのに笑ってるって伝わる演技がすごい。
あとアーサー何歳の設定だったんだろう。ブルースとそんなに年離れてる!?と思ったけど年食ってるほうが悲壮感が更に増す。
だんだんジョーカーになるにつれて音楽が明るくなって、アーサーの立ち振る舞いがかっこよく見えてしまうのが印象的だった。
アーサーが警察の車にのせられてゴッサムを移動する場面でクリームのホワイトルームかかったときがとくにカッコいい〜〜と思ってしまったし、車中から外を眺めるアーサーの瞳が夜の景色が反射した窓とかさなりキラキラして見える。
その後の車から出たアーサーが立ち上がるシーンで終わるのかな〜と思ってたら、あのドタバタコメディみたいな喜劇的な締めで、すげーラストだ!!と思ってちょっと泣きそうになった。
映画の9割が鬱屈として暗くて辛くてしんどいのに喜劇として終わる(始まる?)、ちょっと爽快感すらあるラストが、これからがジョーカー的喜劇的人生の始まりみたいなものを示唆しているようにみえた。
やっぱ二回目みたくないなと思うけど、このラストのためにもう一回見たくなる。
映画館でたあと、すれ違う人たちのただの楽しげな笑い声にドキッとしてしまった。