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ジョーカーのKaZuiのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.7
💬第76回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作。DCコミックスのスーパーヴィランであり、バットマンの宿敵としても絶大な人気を誇るジョーカーのオリジンを描く。突然笑いだしてしまう病気を抱えたアーサー・フレック(演:ホアキン・フェニックス)は母であるペニー・フレック(演:フランセス・コンロイ)の介護をしながら、大道芸人として暮らしていた。貧困層の人間である彼は、富裕層の人々に蔑まれ、暴行を受け、ついには仕事も失う。とあるきっかけで銃を入手したことから彼の人生が変わっていく。どん底の人間の狂気。流れが変わる場面が数箇所あり、そのたびに鳥肌がたつ。所得の格差問題はアメリカのみならず、日本でも問題となっており、ジョーカーのヒットの裏には実際の社会が抱える闇が反映されているのではないだろうか。現に、アメリカでは、警察が警戒している。R指定も納得だ。感化される人が現れてもなんらおかしくはない。また、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーが絵になりすぎて魅力的かつ格好良いというのも、ヒットの理由の1つだろう。骨と皮だけのように作り上げられた身体に、卓越した演技力、そしてジョーカーに必須である不気味な笑い声など、すべてが素晴らしい。また、この作品そのものがジョーカーの「嘘」であると思える余地も残っている。ジョーカーといえば、聞いた人が哀れみを覚えるような誕生秘話を語り、それがすべて彼のデタラメであるというオチが描かれたコミックや映画(主に『ダークナイト(原題:The Dark Knight)』)が定番だ。それゆえに、ジョーカーのオリジンはこれまで不明であった。本作においてもまた、これがジョーカーのオリジンであったのか真偽の程は分からない。すべて彼のほら話(ジョーク)であったのかもしれない。(そう思える根拠は作品の中に散りばめられているが、ネタバレを避けるためにもここでは割愛したい。)

初鑑賞:2019年10月4日
鑑賞方法:映画館
(ユナイテッド・シネマ札幌)
2019年256本目。
10月3本目。

🗣「面白い!」というよりは、「やばい...」という映画でした。ひどく鳥肌がたつ場面が何度もありましたし、ここは日本で、ありえないとは分かりつつも、上映終了した瞬間に撃たれたらどうしようという恐怖を感じましたね。個人的な評価だと、今年は、エンドゲーム、ワンハリ、グリーンブック、ジョーカーが抜きん出ています。

再鑑賞:2020年4月30日(2回目)
鑑賞方法:Blu-ray
2020年90本目。
4月26本目。

🗣もう一度観たい!という気持ちにはそうそうなれない作品ですが、スチールブック版のBlu-rayを購入したので再鑑賞。鑑賞を始めると一気に見入ってしまいます。
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