もの語りたがり屋

ジョーカーのもの語りたがり屋のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.7
演技とはその役を生き内面の感情を(説明ではなく)自然に感じさせることだ

正直アメコミものは食わず嫌いだったが、サイドストーリー的な人間ドラマだったのと、『ボヘミアン・ラプソディ』に似た勢いを感じていて半分義務感に駆られながら鑑賞。

たしかに、肋骨や肩が浮き出るほど痩せこけ狂気に満ちたジョーカーに見事になりきったホアキン・フェニックスの演技は圧巻。
そして現代の匿名で罵り合う人間の醜さというテーマとメッセージには突き刺さるものがあった。「本当の悪は笑顔の中にある」外面はいい格好して腸は煮えくりかえっている殺伐とした世の中。「狂っているのは僕か?それとも世間か」

ただ個人的には期待を持ちすぎたせいか…そこまで話題になっているほどの感動は覚えなかった。役者の内面の感情表現にフォーカスを当てているためか、ストーリー自体は唸るものがなかった気がする。

しかし兎にも角にもアメコミもマンガのように、子どもだけが楽しむものでなく立派なエンターテインメントだと改めて感じさせられ、アベンジャーズ含めシリーズを観てみたくなった。
結局創ってるのも描いてるのも人間で、そこのすべてにドラマがあるわけだからね。