これは恐ろしい映画である。何が恐ろしいかと言うと、アーサーの主観で作品が語られているからだ。初めは善人だった彼が悪のヒーローへと変貌していくのを、観客は自然な流れで受け入れていけるようになっている。
だから、ジョーカーとして覚醒した時、彼の異常さについて麻痺してしまっている。
ここまでヒットした原因として、潜在的にジョーカーへの共感が誰にもあるのかもしれない。ジョーカーは君の中にもいるよ、というメッセージが隠されているようでならない。
アーサーが自分の出生についての真実を知った瞬間、悲しすぎて涙が出た。