daruma38

ジョーカーのdaruma38のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
観賞して数日後でも、脳内で再生できるほどの衝撃的な映画。すぐには感想がまとめきれない。
悲しみ、悔しさ、やりきれなさを内に隠し、満面の笑顔と発作的にはじける笑い声。これが耳を塞ぎたくなる位痛々しく、心にグサグサっと突き刺さる。
目を見張る華麗な身のこなしのシーンにも、単純に感動してしまうのははばかれる。

ピエロに変装するのは、内面を見透かされまいと身にまとう鎧だ。そして笑顔や笑い声も。それでコメディアンになりたかったのか?しかし、かつあげの少年たちには見透かされ、暴力を受ける。そこから、アーサーの不満の捌け口は暴力、殺人に向かう。テレビに出演中に司会者からかわれているのを知り、銃で殺害してしまうまでに、何とか彼を助けられなかったのかと思う。寄り添う人がおらずあまりにも孤独すぎる。

また、ショーを見て笑いのネタを得ようとするが、周りの観客と笑いのタイミングに相当ズレがある。これも痛々しかった。

最後に、自分の血で口角を塗りたくり、ついにジョーカーに生まれ変わったアーサー。彼にとっては、ついに内面と外面が一致し、悩みが解消された瞬間だ。。心からの笑顔が実に不気味で恐ろしい。
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