チェックメイト

ジョーカーのチェックメイトのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.2
鑑賞の記録。
2019年劇場鑑賞映画107本からベスト4に選んだ。
2回見た。
ホアキンフェニックスの演技が素晴らしい。これでアカデミー主演男優賞受賞するのではないか。

米国でこの映画は賛否両論ということだそうだ。映画としての評価ではなくジョーカーの存在?行為?をどうとらえるかで両論かまびすしいらしい。弱者のヒーローとして是か反面教師として非かというところか。

アメコミというリアルでないストーリーのキャラクターの成り立ちを描いた点が今までになく珍しいだろう。
そのストーリーには現代社会の反映もされていてそれが社会風刺にもなっているところがなかなか見せる力作だ。

ただここで描かれた環境や境遇によりアーサーがモンスター化するのはジョーカーとしては単純過ぎる。
ラリーに注目され喜ぶのも束の間、揶揄されて怒りに転じる。そしてラリーのショーに出演し持論をぶちかましての結末は展開が読めてしまったほどに単純だ。そこだけ見ればいわゆるジョーカーの器でない。

ジョーカーのヴィランとしてのキャラクターは後から肉付けされたりしている面もあるが、道化でもありサイコパスでもありバットマンの究極の敵として理解不能の心の闇をかかえている存在でもある。
別に悪の思想があればいいのかというとそういう訳ではないがここでは弱者の復讐にしか見えない振る舞いが、アーサーのジョーカーへのダークサイド転換としては説明的過ぎて作品としての深みがない。
アカデミー作品賞にもノミネートされたが他と比較するまでもなくそれに値するか疑問。自分でベスト4に選んでやや矛盾するが。
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