Moomoooo

ジョーカーのMoomooooのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
例えば、普通の物語なら、
誰かが人を殺す→恨んでいた
など理由がつくはず。

ただこのジョーカーには、理由がない。理由なんてないし、別に人殺しが悪いってわけでもないと観客に思わせてしまう。



この映画を見ていると、社会から除け者にされて、この男の人かわいそう、と感情移入してしまう。
そして、感情移入したキャラクターが人を殺す。
観客はキャラクターに感情移入している。
しかし、その悪を正そうとしてくる警察が弱すぎる。
実力が弱いとかそういう話じゃなくて、
デモを起こす一般人。観客のほとんどが富裕層ってわけではないので、このデモの一般人に共感してしまうと、
ジョーカー止めるどころか、警察から助け神格化してしまう。

つまり言いたいのは、この映画を見終わったら、社会から除け者にされた人は、人殺しが、え?そんなに悪いことなの?となってしまう。

そんな怖い映画。

なんだかまとまってないけれど、
この映画のテーマは「現実と虚構」
その曖昧さの中に、悪を曖昧にするものだから、人殺しの定義も曖昧になる。

観客の感じ方によっては、悪を生産してしまう映画になってしまう気が。

最後のシーンから冒頭に戻るっていう構造はよくあるけれど、確かにこれもその一つと言えるかもしれない。
本当のエンディングとは?
現実と虚構がテーマの映画には付き物のこの問題
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