ゆう

ジョーカーのゆうのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ホアキンフェニックスのジョーカー、素晴らしかった。痩せた身体、表情、笑い方全てが見ていてずっと苦しかった。

始まりの、泣きながらメイクする表情から既につらい。
もう心に余裕がない感じがヒシヒシ伝わる。その上仕事やカウンセリングなど、どんどん心の拠り所がなくなっていく、自分は存在してるのか分からない気持ちが階段を登る後ろ姿や家に帰る姿など全てが苦しかった。
笑ってしまう病気ですってカードを見せるシーンは泣いてしまう。悲しくても泣けない、また不安や緊張を感じたら笑ってしまうのかなと思うとつらい。
ピエロの仕事が好きで子どもを見たら笑わしてあげようとしてたのに、だんだん悪の表情に変わっていくのが…

地下鉄で人を撃った後の表情、警察をまいた後の歩く姿、ジョーカーとして階段でダンスするシーンは解放されて、かっこよく見えた。

社会の理不尽さや夢が叶わない自分など、どうしようもなく受け入れないといけないことが多く苦しい気持ちに共感した。
かといって人を殺すことで存在意義を感じるのは哀れで悲しい。
ジョーカーとなっても、不安で悲しげな目や笑い声が更に悲しかった。
父親だと思っていた人に会いに行ったシーン、愛されたい、ハグされたいだけだって言うのが心の底からの叫びだと思う。

トークショーで高価な死を遂げるつもりだったジョーカーは、生き残ってシンボルのようになっても、どこか悲しげなまま。血で笑顔をつくるのも痛々しい。
それでも病院の廊下を歩くシーンで、この後あのジョーカーとなっていくんだろうなぁと想像できた。
ヒースレジャーやジャックニコルソンのジョーカーが浮かんだ。

悲しくて胸が痛いけど、ホアキンフェニックスの素晴らしい演技が見れてよかった。
ゆう

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