背中。全てを語るホアキンの背中よ…
いやマジで『キング・オブ・コメディ』予習しといてよかった!!!もう、まんまそれ!笑
ホアキンのデ・ニーロ生写しみたいなリアリティ、クリスチャン・ベイルとは違うベクトルの生々しい肉体改造には終始圧倒された…。最早誰?
ただ、演技や視覚面に留まらず、アーサーがジョーカーとして覚醒するまでの、落ちるところまで落ちていく過程がすごく丁寧に描かれているのも印象的。
そんな中、もうやめてあげて…という同情半分、もっと落ちたらどうなるのだろう?という興味半分で、SNSが当たり前の現代においてこんな見方をしてしまう自分も、映画内の暴徒やその他視聴者と同じなんだなと唸ってしまった。
一方でしっかりとヒーロー映画というより、DCブランドであることのカタルシスも内包。
覚醒に大きな影響を与えた、地下鉄→病院→…と積み重ねられる殺人の連鎖に、それとリンクさせる形で明かされていくウェイン家との関係性、それらが爆発するクライマックスは一時も目が離せなかった。
『ボーダーライン』シリーズ他、最近では『ランボー ラスト・ブラッド』で描かれたメキシコに並び、「絶対に住みたくない街No.1」の俺たちのゴッサム・シティが、貧富の差の拡大、市民の暴徒化、そして、それに伴う清掃員のストにより、一層汚く退廃的になってたので、益々行きたくなくなりました笑
でも、こうした現実との表裏一体の演出・設定の中で、我々側、むしろ我々以上に何重苦も背負った男が “恐怖” の裏側にある “笑い” の画面を被り、立ち上がる姿を切り取っているからこそ、本作は他のヒーロー映画以上に受け入れられたのだと思う。