ジョーカーのきりんのネタバレレビュー・内容・結末

キングオブダークヒーロー誕生譚。ようやく見れました『JOKER』。結論から言うと、私は哀しくも清々しい気持ちになりました。誰しも少なからず抱くアーサーへの共感や同情が、最後に悪の華として咲き誇る姿は、普通のヒーロー誕生譚よりも幾分爽快で、感動のパワーがありました。
あのラストは、アーサーにとってはハッピーエンドだと解釈しました。正義と悪、喜劇も悲劇も主観次第。社会に必要とされてないと感じる腐り切った世界の中で、彼は自分が必要とされる輝ける場所を見つけた。それが、彼が登るべき"ステージ"だったのだと。それに呼応するマジョリティの市民もまた"希望"を見つけて立ち上がることができたと考えると、彼は正義でありこれは喜劇だと思えてきます。一度死にかけ民衆の前で復活する姿はまさしく救世主のようにも見えました。(我々はダークナイトで"結果"しか見ていなかったことを痛感させられました。)
考察が飛び交うラストは、私的にはジョーカーはこれまで生い立ちについて幾つも語り、真実を誤魔化して来たので、本作についても壮大な"ジョーク"だった、というユージュアルサスペクツ的な顛末を支持しています。しかし、それについて考えること自体がジョーカーに笑われてるような気がして堪りません。そんな尾を引く部分もまた、本作のパワーだと思いました。