このレビューはネタバレを含みます
見終わった瞬間の、虚無感。
主演のホアキンが、とても良い演技。
笑いながら悲しい涙を流す瞬間には、思わず心を奪われてしまった。
この映画はアメリカ社会の闇だけでなく、世界中の貧富の差を訴えていた。また、障害に対する人々の認識の甘さや、心ない言動をする人々など、どのシーンをとっても現実社会でよく見られる光景であった。
↓ネタバレ
途中まで、ホアキンと恋仲に見えた女性との関係が、実は妄想であったことがわかるシーンがとても心に残っている。
視聴者は、ホアキンの幸せそうな図に安堵を覚えただろう。しかし、ホアキンが彼女の部屋を訪れると、彼女は不信感を抱くのである。視聴者はここで違和感を感じたはず。さっきまで、仲睦まじそうに笑い合っていたのにどうして…？と。
この違和感は、やがて負の光景を蘇らせる。それは、仲睦まじそうに笑い合っていた思い出から、彼女が霧のように消えていき、妄想であったことを視聴者に見せつけるのだ。
なんて無慈悲な映画なんだと感じざるおえない。
しかし、、、
だからこそ、中途半端に"幸せに終わってよかった"という作品よりも精神的な疲労度が高く、一切の猶予を残すことなく闇について描くことに成功している。そのため、視聴者の心を釘付けにするし、揺さぶるとても素晴らしい作品になったに違いない。
ジョーカーから続く物語にも、期待が膨らむ。
