竜平

SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARDの竜平のレビュー・感想・評価

4.6
パンクバンド「Hi-STANDARD」の結成から活動休止、活動再開から今に至るまでの軌跡を赤裸々に映し出していくドキュメンタリー映画。

間違いなくその音楽と共に青春時代を過ごし、多大なる影響を受け、なんだけど存在を知ってCDで聴き狂ってたあの当時にはすでに活動を休止してて、自分としてはただただ「伝説」と化していたハイスタ。その後の個々の活動も一応追ってたけどやっぱり3人揃っての形態にずっと魅力を感じていて、彼らがツアーなどしてバリバリ活動してた時のことや、活休の理由に関する様々な噂、飛び交う憶測まで、中学生の頃に始まり上京してからもずっと追い続けていた。でも雑誌のインタビューやらネット上のコラムやらで察することしかできなかったし、活動再開した今でも謎な部分は多かったし、とにかくどれが真実でどれがデマかもわからないような状態だったわけだけど、正真正銘本人たちの口から語られる経緯、そして映像の数々、今作はもうこの内容だけで感無量だったりする。この一本に彼らのすべてが詰まっていると言っても過言でないんじゃないかとさえ思う。ライブ映像ももちろんあれど、インタビューやオフショットや舞台裏がメインで、また3人それぞれの視点から語られてるあたりもかなり濃厚。栄光、環境の変化と苦悩、衝突とすれ違いなどなど、彼らなりに悩み葛藤し時には動揺し時には感動してたんだなと、当たり前のことなんだけど、一般的な「バンド」と変わらないようなあれこれを経ていたんだなと、今作にて改めて知ることができるはず。

個人的に印象深いとこで言えば、まずは映像にてライブを何度も何度も見た「AIR JAM 2000」のこと。これが11年という活休に入る前のラストライブになったわけだけど、実際に本人たちの口からその裏話を聞くことで感じれるもの、その頃の心境というものに驚く。また11年ぶりの復活となった横浜スタジアムでの「AIR JAM 2011」のこと、そして全く告知なしでショップの開店と同時に店頭にいきなり並べられた復活CD「ANOTHER STARTING LINE」のこと、ここらへんの興奮と衝撃はリアルタイムで味わってただけに、その「ヤバさ」と「奇跡」を今作でまた改めて実感。ハイスタの本物の歴史、そして今同じ時代にいれてるという事実に感動、最後には思わず、涙。

ずっと憧れでいつか対バンできたらと勝手に追い続けていたハイスタ、その唯一無二のドラム恒さんのご冥福をお祈り申し上げます。一生好き。一生俺の青春。
竜平

竜平