新体操の女王マルガリータ・マムーンが2016年のリオオリンピックで金メダルを獲るまでの、壮絶な舞台裏を描いたドキュメンタリー。
やれなければ生きる価値無し。アスリートはヒトにあらず。
ヘッドコーチ・イリーナから繰り出される罵詈雑言は人格全否定でなかなかにインパクトは強い。こちらがムチならばもうひとりのコーチ、アミーナは飴の役割か。でもこっちもイリーナにビビり過ぎてリタにやつあたり気味。
ことさらに彼女が負け続ける場面や練習に集中できない場面だけを映し続けて、最後の最後、あのリオオリンピックでの演技があるかと思いきや…見せないんかい!
過酷な練習に耐えた先にあるのがあの金メダルなのに、サラッと表彰式を映したのみ。許可が下りなかった?BBCなのに?まさかね。
彼氏といちゃついたり海ではしゃぐ顔はかわいいけど、俯いてボソリと「うるせぇ、くそババア」と呟くリタも見たかった。
『アイ・トーニャ』のような胸熱感が欲しかった。
ワイダ映画学校を卒業したという女性監督はいったい何を伝えたかったんだろう。
作り手の意図が全くないドキュメンタリーなど存在しないことはわかっているけれど、勝った大会はほとんど見せない構成も、最後に記されたオリンピック後のリタの行末のあまりにも作為的な書き方も興醒めだった。
理由はネタバレコメントに。
ちなみにイリーナババア、プーチン大統領の友だちで旦那も大富豪。噂では逆らったらロシアにはいられなくなるらしいよ。