ひでG

にっぽん昆虫記のひでGのレビュー・感想・評価

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)
4.0
映画青年だった頃、当時の学生にしては
かなりの高額を出して、キネマ旬報の歴代ベストテンを掲載した厚手の本を買った。

いつも、その辞典を片手に、観た作品に○を付けたり、まだ観ていない歴代ベストテン作品に心躍らせたりしていた。

その中に、1963年ベストワンの本作の
小さな写真が載っていた。

白黒の小さなスチール写真は、自然の中で左幸子が乳を吸わせるものだった。

何を見ても刺激される年頃のぼんぼんには堪らないワンカットだった💦💦

それから45年、念願?😅の本作を
何とAmazonプライムで観れるとは!😅

今村昌平の有名作も無料配信なんて、
良き時代やな😅

この作品、当時観てても、ちんぷんかんぷんだっただろうなあ、😅

一筋縄で行かない、なんて生温い言葉じゃ語りきれない!

以前、別の作品のレビューで、映画の評価には、

「面白いorつまらない?」
「好きor嫌い?」の二者択一のほかに

「凄いor凄くない」という分け方があると書いたことがある。

「凄い」がさらに進むと「特別」になり
さらにその先には「唯一無二」な作品になる。

本作は、正真正銘の「唯一無二」な映画です。

これは、「面白い」(これはマジで面白いん映画だけど、表面的にはその表現と少し違うかも、、)「好き」とは、違う評価の範ちゅうにあるんだと思う。

今も昔も今村昌平にしか描けない世界

だって、大正から昭和30年代までの女性の一代記を、性だけで描き切る。

そんな監督はあまりいないぞ!

冒頭の左幸子の乳吸いシーンだって、
こんなシュチュエーションだなんて
誰も想像できないぞ!

性に特化して描く半生なのだから、当然
白黒の、カメラワークを駆使して作り出した超エロティクな描写もあるが、

実は、映画全体を俯瞰的に眺めると、
エロさより、コミカルさ軽妙さが目立つ

いろんなもの、特に時代のウェーブに流されたり、不道徳に陥ったりしながらも、トメの生き方が時には、突き抜けた強さや爽やかさまで感じされてくれる。

田舎の土間の中で営まれているふしだらな関係で始まる、暗い、ジメジメ時代話に
なるところを、むしろ、明るさまで感じさせる、この感覚、

前述の乳吸いなんて、何と悍ましい行為なのに、むしろ最後は、神々しさまで感じはせてくれるのだ。

これは、勝手な憶測だけど、
ボン・ジュノや白石和彌らも今村昌平に影響受けてるんじゃないかなと思ったりしている。

まだまだ、きちんと観たら、新しい発見がザクザクできてそうです!

レビューの方は現時点でのポイント。
まだまだ、未熟な映画ファンの前に
今村はデカ過ぎる!
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