このレビューはネタバレを含みます
村西とおる監督、撮影現場ドキュメント
東映ビデオ提供
監督川嶋一貴。
撮影清水大敬。
2022年2月、ビデオ屋で久しぶりの店内検索していたらハシッコにあった本作。一切情報わからず。なぜか発売東映ビデオ。
村西とおる、ダイヤモンド映像立ち上げ、アダルトビデオを牽引したAV監督。
Netflixで「全裸監督」が大評判になり、いまやシーズン2。
村西とおるは、黒木かおりとの喋りを深夜テレビかなんかで見ていた世代。アダルト作品は、まだ未見。
なんだか有名芸能人コメントあるが、なんだか脈絡ないので、どうやら怪しい。
これは面白そうと即レンタルしてみた。
インタビューパートとドキュメントの2部構成。インタビューに片岡つるちゃん、タマちゃんとか。他村西とおる監督の今のインタビュー。
ドキュメントパートは、1996年の村西とおるの撮影現場のドキュメンタリー。こちらが凄かった。今から26年前。
村西とおる監督が借金を抱えて、Vシネマを撮っていた頃の撮影現場。さながら全裸シリーズのはしりのような現場。やることなすこと、むこうみず。勢い、話法、大っきな村西説法、そのころの村西とおるが見れば一発でわかるドキュメントだった。
冒頭の客寄せ、キャッチーな芸能人コメントは、最初のみの導入のみ。ほんの数分。
撮影地は、北海道。村西とおるが裏本で当てた所が北海道で、思いいれがありロケ地北海道とのこと。
Vシネマと、ヘアヌードを女優さん何人?なんでしょう。2、30人一気に引きつれて連れまわすスタイル。
それを追いかけカメラ廻すのが清水大敬監督。清水監督も同じくAV監督で、劇中タオル全裸とキテレツメイクで出演しています。
とにかく毎分トラブル続きの撮影現場は、必見だ。
女優文句、
果てのないスケジュール、
終わりがみえない次、
離脱、
怪我、
いなくなる(飛ぶ)、
寒がる、
味方する、
従うしたがわない、
文句に倍応酬する監督の説得、大声、
AD喧嘩、
役を降ろす、
文句言う、
叫ぶ、
罵詈雑言、
役の取り合い(こういうのもあるから凄い)、
喧嘩、
泣き、
村西説法、
説得、
メシを食べる、
歌う、
演出する、
絡む、隠し撮り、怪我、事故、etc
気分を害す方もきっといらっしゃるだろう。何せアダルトビデオ、ヘアヌードの現場だ。本作の出演女優の過酷さ、当時の撮影風景・雰囲気、村西説法をみるドキュメント。
ネットフィリ見なくてもこれ見れば、ドラマの30倍リアルだ。とにかく凄い。
村西とおる監督の言説が、説法が、仕切り必見。
体調が悪い、怪我をした女優さんを手を握り、話しを聴くから。
演出に乗らない女優を徹底的こきおろす、叱りつけるまで余すところなく見られる。
証言で、村西監督の食い方が凄いってあって、確かにロケ中の食いっぷりがすごい。
ようかん、ラーメン、めし、いただきもの食って、お菓子、弁当、ビールと確かに食い方が尋常ない。勿論カットを割ってるんでそういう風に見えますが、大食漢ぶりは、なんだか滅茶苦茶な感じがする。もりもりと食べる。貧乏からの食みたいなお話をしていた。
からの
「~でございますね」
という村西監督の丁寧な語尾。
で、まくし立てる、つぶだてる、どやしつける、おい!と叫ぶ。恒例の「ナイスですね!」はきけなかった気がする。冒頭のインタビューで鶴ちゃんが言ってたかもしれない。
今のインタビューと当時のインタビューと交差する。
ノッていた頃の村西とおる説く演出なんでやはり声張りから何から凄い。そして村西監督に密着する清水監督も凄い 「なんで?」とわりにしつこくきいたりするので粘りもあり。助監督に質問したり、俳優に質問したり、喧嘩した人にきいたりかなりのグイグイ度ですごい。
アダルトパートが丸々ドキュメントされてないので、わからないが、このような撮影をめちゃくちゃやってたのだろう。依頼があって、撮影して、ビデオにして、売りまくっていたのであろう。今やビデオは、存在しないメディア、消滅してしまった、、、。
ラスト付近のアクシデントは、たまげた衝撃映像だった。村西監督も、まわりスタッフも、出演女優も疲れからかのアクシデント。本来ならカットすべき対象をみせていてリアルでよかった。こんなんよくみせるなあという映像。いやあすごいなあ。
現在の村西監督は、某国でのアダルト配信に奔走されているとか?!
さて
1996年、村西とおる撮影監督ドキュメント。
アダルトビデオファン
全裸監督ファンは
ぜひ!
追記
さながらアイドル、ワックグループのオーディションを想起させるが、こちらは、こちら。あちらはあちら。どう過酷なのか?見ていただければ。
ちなみに黒木香の「SMっぽいのが好き」見てみたくなった。あと「全裸監督」も。
フィルマークス追記
さすがに今、アダルト監督はやらないようだ?!本や映像配信、マスコミ対応なのでまだまだご健在なのが凄い。
だけど、村西監督は、きっと黒木香と出会ってなかったら、ここまで有名になっていただろうか?いやなってたのか。
話術からみえる村西魂が垣間見えるドキュメンタリーだった。まさか撮影ドキュメントが見れると思ってなかった。
今のインタビューと、昔のVTR、絶賛コメントくらいの映像かと思ったが、、。
けど村西監督のカリスマたる話法は、さながら宗教家のようにもみえた。
今、AVは衰退産業、フリーAV化で飽和状態。ビデオはビデオ屋から撤去。今や携帯から検索、有料オンデマンドかフリー素材。時代は変わって、しまったわけです。