まっつん

カプリコン・1のまっつんのレビュー・感想・評価

カプリコン・1(1977年製作の映画)
3.6
いいですねぇ〜。映画を観てるっていう感じがすごくしますね〜。NASAの陰謀によって命を狙われるハメになった宇宙飛行士の逃走劇。

本作はNASAからの公式な協力を得て制作される予定でしたが、もろにアポロ陰謀説をモチーフにした内容にNASAは協力を拒否。まぁ当たり前ですね笑。ちなみにアポロ陰謀説に関してはそんなはずは絶対ない上に、陰謀論者は都合のいい部分しか見ない人達なので本当に困っちゃいますね。乗組員や関係者に本当に失礼だと思いますね。んで「ほら!やっぱり陰謀だったんだ!」という内容の本作笑。

非常にエンターテイメント性の高い作品になっていながら社会性も持ち合わせた作品だと思います。要は、「巨大な陰謀というのは最低だし、バレるよ」という話です。陰謀というのは基本的には全体の利益の為に行われます。そして大体、全体の利益の為に個人が懐柔されていきます。んで問題はこういった事が「陰謀レベル」とまで行かない段階であっても権力によって行われているという現実です。スピルバーグの「ブリッジオブスパイ」はそういう作品でした。国家の実利のために個人が切り捨てられる。それはそもそもに暴力性を内包するシステムの限界です。しかし、当たり前の話なんですけど肥大化した陰謀っていうのはバレるわけです笑。色んな人が関わるからです。口裏合わせだって大変なんですよね。

本作は宇宙飛行士たちが三方に分かれてひたすら砂漠を歩くのですが、この砂漠がね....気が遠くなる....そして彼らを追うヘリがまるで生き物かのように演出されているのも面白いですね。さらにクライマックスの空中戦シーンも全スタントでやっていて、非常に危険であったとか。

てなわけで実は結構タイムリーな作品だと思いますね。おススメ。