FutosiSaito

長いお別れのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
3.8
 蒼井優を見ていると山里亮太が浮かんでくるし、竹内結子は中村獅童だ。
 山崎努はやはり『必殺仕置人』の格好いい念仏の鉄が浮かぶし、松原智恵子は渡哲也が主演した『無頼シリーズ』のヒロインだったころを思い出す。
 松原はあの頃とほとんど変わらないチャーミングさを維持しているところが凄いのだが。
 それだけ現実のイメージがありながら、この4人は家族として、この2時間のなかで家族の時間を演じている。みな見事だ。
 監督は、原作と同じ題名のとおり「長いお別れ」(認知症のこと)の時間を描いた。
 それはドラマチックな激変でもなく、じっくりとした別れの時間ではあるが、素敵なこともいくつか起きる別れだ。
 だから、激しいエピソードもなく、もちろん爆発も絶叫も出てこないが、しみじみ感動を誘う。
 こういう映画もいいものだ。
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