ちろる

十二人の死にたい子どもたちのちろるのレビュー・感想・評価

3.4
集団安楽死をするため廃病院に集まった12人の少年少女が約束の部屋に集まると、そこにはすでに薬で横になっている少年の死体があった・・・
所謂『十三人いる!』っていう映画です。
役者陣は今をときめく若手俳優たち。
ほぼ、この廃病院内だけで繰り広げられ、ディスカッションを繰り返していく展開は「十二人の怒れる男」とか、「12人の優しい日本人」みたいで、嫌いではなかったけど、なんだろう?こういうのって後半に向けてボルテージアップしてくるのがいいのに、これは後半に向けて少しずつ薄れてくる感じ。
「生きるとは?」若者の生と死についつ深く考えさせられる問題作という期待で観たら多分肩透かし食らうかもしれませんので、
現代の若者の本質を見せるエンタメとして観る方がいいのかも?
12人が自殺を願う理由はそれぞれ全く違いますが、中にはえ?何それで?と思うギャグみたいなものもありますが、もちろんそれでも本人が死にたいと思うくらい悩んでるのだからバカにするつもりはありません。
こんな薄い理由で死を願うほどに今の若者が閉鎖的になってしまっているということなのでしょうか。
「誰かに話を聞いてもらいたい」
身近な家族とでさえもコミニケーション不足となり、頼るのはむしろ得体の知れないネットの人間関係の方だったという若者たちの真実に、一抹の虚しさを覚える作品でした。
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