晴れない空の降らない雨

十二人の死にたい子どもたちの晴れない空の降らない雨のレビュー・感想・評価

2.2
自発的に行くことは100%ない映画だが、友人に誘われて鑑賞。正直なぜこんな見えている地雷を意気揚々と踏みに行くのか、しかも「絶対お前向けの作品」などと俺を自信満々に巻き込むのか、俺を一体なんだと思っているのか、皆目分からなかったが、どうやら予告編をみてバトロワ風『そして誰もいなくなった』的な何かだと思い込んだらしい。いや、お前の中で俺はどういう人間なんだ。

こちらはとくに事前知識もなかったが、堤がそういうのを撮るとも思えなかったし、どうせ10代しゃべり場だろうなと思ったら、思った以上に10代しゃべり場だった。まぁ先日のアニメ映画と違って怒りを覚えるほど酷いもんではなく、一応最後まで平静に見ていられた。この辺がプロアマの差という感じがする。

お話がどうでもよくても見所があればと思ったが全くなかった。白血病がハゲ頭をさらすのをスローモーションで見せるのは最低なブラックジョークなのか何なのか悩んだ。他の映画でもそうなんだが、謎解きパートが映像だとどうにもつまらなく感じる。まぁ本作の場合は謎自体がつまらないのだが、「ここは実はこうでしたー」みたいのを愚直に見せられるのって、最終話で設定を延々と語るアニメのようでアホくさい。
スローモーションといえばラストでも使われ、これが結婚式場か何かのCMみたいで、これを映画館で流すのは犯罪だろうというダサさだった。ボーリングのピンみたいな病院の謎オブジェはまったく機能していない。

最後のしゃべり場はまったく映像向きでなく舞台でやるべき内容で、若い俳優たち(ちなみに私は橋本環奈が誰かすら分からない)にはこの間をもたせるオーラが微塵もなく、なんつーかかなり苦しかった。

なお、過去に彼に付き合った映画は実写版『Another』『貞子vs伽倻子』などであり、しかもほんとうに面白そうだと思ってこのチョイスなのである。