ミシンそば

悪魔はいつもそこにのミシンそばのレビュー・感想・評価

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
3.6
NETFLIX映画で一度は観たことがある主演級の俳優たちが一人は絶対に出てるオールスター映画(セバスチャン・スタンは若い頃のロバート・デュヴァルかな?ってくらい面影が薄い)、であると同時に、信仰とは何かを、えぐるようにして問いかけるスリラー。
「これ、マジで言ってるんか?」という狂信者(宗教関係のやつだけではない)たちの挙動は、多分信仰に対する価値観が欧米人と違いすぎる日本人視点というフィルターを通さなくても理解できないところが大きい。
中盤からやっと出てくるトムホの仕草は、前半に出てくる父親役のビル・スカルスガルドの挙動に驚くほど酷似していて、荒々しく暴力的。「親愛なる隣人」の片鱗は観られない。
全体としての感想は、アリ地獄を想起させる「逃げられなさ」を全面に押し出していて、大体の悪行には驚くほどスピーディーに報いが配達される。アマゾンでもこうは行くまい。
大きく分類して三つの時代が舞台となっているが、その全てのバックボーンにあるのが戦争(言及自体はされてないが恐らく朝鮮戦争も含まれるだろう)であり、戦争から波及した狂気なんかも、登場人物の凶行や結末に関係したのかな?とも邪推してしまった。